突然リレーエッセイのバトンを渡されて、少々戸惑った。と云うのも、エッセイなどと言うのは生まれてこの方書いた事が無かったからで、ラブレターは云うに及ばず、日記すら小学校の宿題が最後で、他には仕事がらみの作文程度の経験しか無く、前回の永田さんの様に、チャリンコやパイプ作り等のこれと言った趣味が有れば良かったのだが、無趣味の自分にはいったい何が書けるのやら。
アウトドアー派でもなく、かと言ってカウチ族でも○○オタクと言う訳でも無く、ピアノやバイオリン、ギター等の楽器や、絵画や陶芸、囲碁・将棋やお茶・お花などの高尚な趣味も無く、ガーデニングや野良仕事にも大した興味は無く、アンチ巨人だが阪神ファンでもなく、音痴だから当然カラオケにも賭け事にも興味が無い。おまけに最近は異性やお酒にも以前ほど興味が湧かず(人はこれを老化現象と言うが)……とくると、なんとまぁ~退屈で面白味のない人生なんだろうと云う事になるが、しかしその割には本人は少しも退屈していない。むしろ睡眠時間が足りないぐらい忙しい。
一体何がそんなに忙しいのか? それはキット自分の価値観(基準)と違う人達が最近増え過ぎ、それへの戸惑いと心の調整で忙しいのだろうと思う。
・戸惑い1)
公共の交通機関や人の面前で何のてらいも無く化粧や食事をする輩。若い女子ならまだしもオバサン達は止めて頂きたい。
・戸惑い2)
混んだ地下鉄の座席を自社の応接室と勘違いしておられた重役風の紳士方、胸のポケットチーフが泣きますよ。
・戸惑い3)
朝の通勤電車で足を投げ出し、ずり落ちそうな格好で眠りこけている年配の紳士。そして食べ残しや要らなくなった新聞などをそのまま残して去って行く紳士淑女諸君。
・戸惑い4)
そして<ヒョットすると自分も気づかない内に同じ様な事で人に笑われているかも知れない>と思い「君等には公共心のカケラも無いのか!?」の一言が云えずにいる事なかれ主義のオドオドした自分。
・戸惑い5)
ばかの壁や下流社会、国家の品格、フリーズする脳、負け犬はなぜ早死になのか、などの本を読んでウンウンと頷き、そして子供達の将来はどうなるのだろうかと心配しながらも、「人生は皆それぞれ」なのだと妙に納得している自分と、そして「ひと皆それぞれ?」なのだが、それで良いのか、ひとがどう思うか、が自分はやっぱり気になる。
古いのだろうか。